全国有数のしらすの産地と特徴について

カテゴリー:しらすについて

しらすは一年中目にする食材ですが、特に春と秋がおいしい時期だそうです。とりわけ、秋のしらすは脂が程よくのっていて最もおいしいといわれています。しらすの産地というと、静岡県というイメージがありますが、平成27年のしらすの漁獲量ランキングでは、兵庫県がトップでした。2位が愛知県、3位に静岡県が入っています。今回は、しらすの産地と産地自慢のしらすについてご紹介します。

しらすとは何の稚魚?

私たちが食べている釜揚げしらす、生シラス、ちりめんじゃことは、イワシの稚魚です。日本周辺の海で獲れるイワシには、マイワシ、カタクチイワシ、ウルメイワシなどがあります。これらの稚魚がしらすです。

しらすの漁獲量ランキング上位の産地とは?|兵庫県:淡路島

兵庫県といえば、淡路島の生しらすが有名です。淡路島のしらすの種類は、カタクチイワシの稚魚。餌に恵まれ、潮の流れが速い明石海峡で獲れるしらすは、淡路島の岩屋港に水揚げされます。ベテランの職人が選んだ最高の鮮度のものが加工工場へ運ばれ、殺菌後にマイナス40度で急速冷凍されるので、鮮度はそのまま。こうして、淡路島の生しらすが誕生します。淡路島自慢のしらすの旬の時期は5月から11月です。生しらすは、淡路島の特定の施設や飲食店だけで取り扱われています。

愛知県:篠島(しのじま)、日間賀島、師崎

県の「四季の魚・夏の魚」に選定されている愛知県のしらすは、主にカタクチイワシの稚魚です。平成27年のしらすの漁獲量は約11,455トンで、全国2位を誇っています。南知多町の篠島をはじめ、日間賀島、師崎などでたくさん水揚げされます。三河湾に浮かぶ離島の篠島は、漁業の島。中でも、しらすは島を代表する名産品です。篠島は、「シラス日本一の島」としてPR活動をしており、キャラクターの「しらっぴー」も人気者。夜明け前にしらす漁の多数の漁船が出港するときは、港全体が真昼のように明るくなり活気づくそうです。篠島のしらすの旬の時期は4月から12月、初夏がピークです。キラキラと美しく透明な小さなしらすは新鮮だからこそ、歯ごたえがあり、独特な甘みも楽しめます。

静岡県:遠州灘、駿河湾

静岡県のしらすの主な漁場は遠州灘から駿河湾です。日本一の深さを誇る駿河湾は、富士山の雪解け水が注ぎ込み、山からの豊かな恵みと深海の恵みを享受し、餌になるプランクトンが豊富な環境です。恵まれた環境の中で、生後1~2カ月まで成長したしらすは漁獲に最適なサイズになります。
しらす漁は鮮度が命ですが、遠州灘の漁場近くに舞阪漁港があるので、水揚げされたしらすはセリに即座にかけることができ、その日のうちに舞阪町で加工されます。漁港から店頭に並ぶまでの時間がほんのわずかであることが、舞阪産のしらすのおいしさの秘密です。
静岡のしらすの旬は、6月から9月。富士山の恩恵を受けた貴重なしらすは、弾けるように新鮮です。
「お刺身用冷凍生しらす」や「富士山しらす」は、県の特産品の「食セレクション」に認定されています。

大阪府:大阪湾

シラス漁は大阪を代表する漁業です。大阪湾で獲れるイワシの種類は、カタクチイワシとマイワシの2種にほぼ限られていますが、近年漁獲されているものは、カタクチシラスが大半であるといってよいでしょう。紀伊水道から太平洋の海域で生まれたしらすは、潮流にのって大阪湾に入ります。
シラス漁は、ゴールデンウィーク前後から始まりますが、カタクチイワシは産卵期が長いため、年によっては12月中旬まで行われることもあるそうです。特に、春に漁獲される「春シラス」は、イカナゴと共に大阪の春を代表する魚として知られています。プランクトンに恵まれた大阪湾で成長するシラスの濃い味がおいしいと評判です。泉州田尻港内に、大阪湾の鮮度抜群の生シラスがいただけるお店があります。

愛媛県:宇和海

愛媛県では、宇和海がしらすの一大産地。特に佐田岬の潮の流れが速いため、身が引き締まった魚の宝庫です。瀬戸内海と太平洋の潮がぶつかり合う豊後水道は佐田岬半島の山々からの豊富なミネラルの恩恵もあり、川之浜には良質な餌を求めてしらすがたくさん集まります。
釜揚げしらすは、漁港の目の前の加工場で30分以内にゆであげるので鮮度が抜群です。何も加えなくても美味しいので、ゆでるときに加えるものは讃岐の塩のみ。健康を考え、通常のしらすよりも塩分が控えめなしらすは、ふわっとした食感とクセのない味が特長です。
西宇和郡伊方町川之浜にあるしらすのテーマパークともいえる「しらすパーク」では、しらすの加工品の購入や、加工場の見学を楽しめます。中でも、しらす食堂では宇和海の絶景を眺めながら、水揚げ後1時間ほどのふわふわのしらすを味わえます。

まとめ

・兵庫県は淡路島の生しらすが有名
・愛知県の篠島のしらすは島を代表する名産品
・静岡県の駿河湾のしらすは富士山の恩恵を受けた貴重なしらす
・大阪府の大阪湾の春シラスは、イカナゴと共に大阪の春を代表する魚
・愛知県の宇和海はしらすの一大産地、佐多岬は身が引き締まった魚の宝庫今回のテーマのしらすの中でも、特に、生しらすは産地で食べてこそ味わえる美味な世界です。獲れたての新鮮なものでなければ体験できない甘味が口いっぱいに広がるでしょう。春の小ぶりなしらすはぷりぷりした食感、秋のしらすは程よい脂のうま味などそれぞれにおいしさがあります。ぜひ、産地まで足を運んで、海風を感じながら、水揚げされたばかりの鮮度抜群の生しらすを堪能してみてください。